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2010年01月29日

動画:あまご発眼卵放流/ボックス回収作業(2010年1月)

漁協が無くなった地元の川で行っている、アマゴの発眼卵放流。今年もボックス回収の時期となりました。



動画:あまご発眼卵放流/ボックス回収作業(2010年1月)


例年ですと雪に祟られるボックス回収作業。今年は穏やかな天気に恵まれました。
自作の虫カゴ改造放流ボックスは、99%前後の孵化率で概ね成功。概ねと言うのは、一部脱出穴が大きかったり、稚魚の早期脱出を防止するネットに隙間があり、稚魚が全て出てしまっていたボックスがあったため(死卵の数から、孵化率は分かる)です。

今回、興味深かったのは直播きの結果。
通常、鮭・鱒族の産卵は、川底が礫(小石)質が好ましいとされています。そうでないと、産み落とされた卵が酸欠で死んでしまう、産卵床内に、秒速・m/sの通水性がないとダメとか、研究も色々されており、私もそう考えていました。「泥・砂底の川は、アマゴの産卵に適さない。産卵したとしても、卵が酸欠で死ぬ」と。

ところが、安濃川に関しては、ほぼ全域で、いわゆる「産卵に適した」場所がありません。
しかし、ALC標識調査の統計結果から、それなりの野生魚の産卵が行われているのも確か。では、この子達はどこで生まれてる?
そんな疑問から始まったのが、バイバートボックスを使った放流とは別の「自然産卵に適さない川に、あえて発眼卵を埋めてみる実験」

・2年前は、虫カゴに周囲の砂と小石と発眼卵を詰め込み、そのまま埋設 → 砂と小石に混じったのか、死卵も稚魚も死んだ稚魚も殆ど見られず。しかし、5~6匹の稚魚が確認されたことから、「もっとうまくやれば、直播きで生き残れるのでは」との問題提起となる。

・昨年の実験は、台所の三角コーナー用のネットに発眼卵を入れて、そのまま埋めてみた。この時から、「ドーナッツ型」と勝手に呼んでる、底上げ式の直播きも同時並行で実施。 → かなり多数の稚魚を確認し、砂底の川でも発眼卵・稚魚は酸欠で死なない事を確信。ただし、ネットの網目に頭を突っ込んで死ぬ稚魚が多数いた事から、さらなる改善を検討。

・今回は、発眼卵を不織布(ふしょくふ・・最近、マスクとかによく使われてる)に入れて埋設 → 通常の直播きで8割以上、底上げ式直播きで9割以上の孵化率を確認。
埋設後の雨などで、卵を埋めたポイントには3cm以上の砂が堆積しており、また、不織布に入れていることからさらに通水性は悪かったはずなのにこの結果。
「アマゴの発眼卵・稚魚は、言われているほど通水性の良い川底でなくとも、孵化し、生き残れる」これはおそらく間違いない。

しかし、素朴な疑問がまた湧いてくる。
「3cmも積もった砂を掻き分け、稚魚は水中へ泳ぎ出てこれるのか??」

少しかわいそうだったが、稚魚を2~3匹透明な容器に入れ、砂を5mmほど被せてみた。下から見ると、完全に動けない様子。3cmの砂の層を、突き破れるとはとても思えない。


少ない観察結果から考察すると、アマゴやヤマメは、結構劣悪な環境でも産卵できるし、卵や稚魚も死なない。しかし、卵が産み落とされてから、砂やシルトが堆積すると、稚魚は水中へ出てくる前に死んでしまう可能性が高い。

つまり、魚を増やすなら、放流や人口産卵場造成ではなく、周囲の山から土砂が流れ出さないようにする取り組みをしたほうが、圧倒的に効果が高い可能性があるということ。極端な話、砂底の川でも、産卵後、土砂の堆積が殆ど無ければ、稚魚は普通に育ち、川へ泳ぎだしてくるはずだ。

保水性や餌(陸生昆虫)の供給、夏場の水温上昇防止などから、渓魚の増殖には山が健康でないといけないとよく言われるが、川辺の森林だけでもきっちり手を入れれば、産卵床から泳ぎだす稚魚の数を、一気に増やす事ができるかもしれない。








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Posted by 俊@FlyHighFisher at 23:45│Comments(0)
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